人間の土地 2
こんにちは、BluePenguinです。
昨日に引き続き、サン=テグジュペリ作「人間の土地」について書いていきたいと思います。
「人間の土地」では、飛行郵便の普及という社会的使命感と自分の命を危険にさらすことにより身近な人を悲しませてしまうことへの葛藤が描かれています。
しかし、操縦士も指揮官も、「命を賭して挑むからこその仕事の尊さ」に価値を見出し、飛ぶこと・飛行郵便事業を拡大してゆくことを辞めません。
この点、皆さんはどう思われますか?
「命を賭して」といったような危険なことではなくとも、周囲の人との関係で夢や仕事を諦めたことがある人は多いのではないでしょうか。
例えば、進学・就職で上京する、海外赴任する、バックパッカーとなって世界一周する.........などです。
このような自分が強い思いを持っていることに対して、周囲の人と意見が合わないのは辛いことですよね。
家族や友人も、自分のことを案じて異なる意見を言っていることも多く、どちらが正解なのかはやってみなければわかりません。(正確には、両方を同時に試すことはできないのでどちらがより良い選択だったかは永遠に分かりません。)
こんな時によく使われる言葉があります。おそらく誰もが一度は聞いたことがある、
「自分の人生は自分だけのもの」
という言葉です。
しかし、本当に自分の人生は自分だけのものでしょうか。結婚したり子供を授かったりして、「もう自分の命は自分だけの命ではないんだな」と責任を自覚した、なんていう話もよく聞きます。
実は私は、仮にどんなに若かったとしても「自分の命は自分だけのもの」ではないなと感じています。
私自身は、家族や社会の中で大きな支えを受け生きてきた自分を、「自分だけのもの」と考えることには抵抗があります。
私は自分の命について、「責任者」という立場かな、と思っています。例えば、仕事のプロジェクトリーダーみたいな人を想像していただけると分かりやすいかと思います。
自分自身も含め、家族や親友などの仲間が共同で「自分の命・人生」を創りあげていて、プロジェクトの方向性や最終的な意思決定の責任は私自身にあるよ、という感覚です。
このチームを、最終的な責任者である私自身がどのように管理するかは自由です。だから、家族の反対を押し切っても自分の夢を貫き通すような、「ワンマン型」のリーダーがいてもいいと思うし、私のように全体のコンセンサスを重視する「協調型」のリーダーがいてもいいと思います。
注意したいのは、周囲との関係で夢や仕事を諦めても、それによって自分の人生でなくなったわけではない、ということです。
周囲の人の意思を踏まえたうえで自分の進路についてある決定をしたのなら、それは「自分の人生を歩んでいること」に他ならないのではないでしょうか。
どんな時でも、「自分の人生は自分だけのものではないが、責任者は私」というイメージが持てれば、「生き方」に関する考え方が少し変わるかもしれません。
本の内容から離れてしまいましたが、今日はこのあたりで終わりにしようと思います。
また明日もよろしくお願いします。
人間の土地
初めまして、BluePenguinです。
Twitter経由で見たはてなブログのリンクが面白くて、自分でもやってみることにしました。
とりあえずは、自分が読んだ本について感想をつらつら書いていきたいと考えてます。
読む本のジャンルは特になく、気が向いたのを読んでます。
というわけで早速、今日の本について書いてみます!
星の王子さまで有名なサン=テグジュペリの作品。舞台は飛行技術が誕生したばかりの第一次世界大戦前後だ。当時、フランスからアフリカの旧植民地への郵便は船や陸路が主流だった。そこに登場したのが飛行郵便だ。まだ危険の多かった飛行郵便を普及させるため、危険を承知で空に挑む飛行士と、彼らを取りまとめる人物の小説である。
当時の飛行の事故率は高く、毎年複数名の飛行士が事故で亡くなっていた。飛行士は家族や恋人がいるにも関わらず、なぜこの仕事を続けるのだろうか。
また、飛行士を取りまとめる指揮官はなぜ、飛行士を危険にさらしてまでこの事業に取り組むのか。
答えは、「社会的使命感」だ。
「好きなことで、生きていく」ことの価値が高まっている現代では、到底理解できない考え方かもしれない。
しかし、私はこの本を読んでいて、「自分が危険にさらされることで大切な人を悲しませてしまう苦しみ」を抱えながらも、使命感を持って仕事に取り組む飛行士の姿を、非常に気高く、格好良いと感じた。
初めなので今日はここまでで、続きは明日の記事に書きたいと思う。